社内議案 / 取扱注意(noindex・社内限定)

Claude Code 業務データの保管・バックアップ体制

株式会社労務ニュース | 2026年6月14日 | 起案:倉田 | 技術論点はCodex(OpenAI)クロスチェック反映

全社員がClaude Codeで顧客業務(給与計算・助成金申請の作成など)を進めるようになりました。便利になった一方で、その作業データを「どこに置き、どう守り、どう管理するか」のルールが、まだ会社として定まっていません。PCが1台壊れれば顧客作業が止まりかねず、顧客の個人情報を含むデータが各自のPCに散らばっている状態は、社会保険労務士法人として見過ごせません。

この資料は、前半=「どの方向で行くか」の提案(管理職の意思決定用)後半=「決めた後どう運用するか」の実装・運用設計(議論のたたき台)の二部構成です。結論として運営側は「各社員の個人OneDrive方式」を推奨します。

もくじ
  1. 【前半・提案】いま起きている課題
  2. 押さえたい前提
  3. 選択肢は2つ(git / 個人OneDrive)と比較
  4. なぜGoogleドライブを採らないか
  5. 運営側の推奨
  6. 【後半・運用設計】守るべき3つの層
  7. 非技術者に配るときの4点
  8. 決めていただきたいこと・未決論点
前半 ── 提案(意思決定用)

いま起きている課題

まず押さえたい前提

選択肢は2つ

案A:git / GitHub 方式

作業の節目で「コミット(セーブ)」して退避

  • 巻き戻し・差分確認に最も強い(プログラム的な作業向き)
  • 「コミット」操作を全員が習慣づける必要がある
  • 機微データはGitHubに上げられず、結局守れないデータが残る

案B:個人OneDrive活用 (推奨)

各社員の個人OneDrive(会社テナント)に作業フォルダを置く

  • 保存のたび自動でクラウドへ退避=バックアップが勝手に貯まる
  • 「バージョン履歴」から前の版に戻せる=特別な操作なしで巻き戻せる
  • 一人しか触らないため同期が安定(共有ライブラリは競合・保留が出やすい)
  • 顧客データが社員間で混ざらない(担当ごとに分離・守秘に適う)
  • 持ち主は会社。管理者が必要時にアクセス・復元でき統治は保たれる
  • 作業中の分だけ手元に置けば、容量の小さいPCでも収まる

2案の比較

観点案A:git / GitHub案B:個人OneDrive
バックアップコミット&退避した分だけ保存のたび自動
巻き戻し(1ファイル)コミットが必要自動の版履歴から復元
巻き戻し(丸ごと)得意苦手(ファイル単位)
管理者の見える化退避先を共有すれば可管理者権限で必要時アクセス・復元可
同期の安定性個人OneDriveは安定(共有は競合が出やすい)
社員の学習コスト高い(コミット習慣が必要)低い(普段の保存のみ)
SSD容量全データを手元に抱える作業中の分だけ手元に置ける
顧客データの分離(守秘)担当ごとに分離
機微データの適性上げられない会社テナント内で統制可

なぜGoogleドライブを採らないか

「同期先ならGoogleドライブでもよいのでは」という声に答えます。結論は、プラットフォームの好き嫌いではなく、CLIツール(Claude Code)をローカルのファイル上で動かすという用途で見ると、OneDriveが明確に優れているからです。

Googleドライブが不利な理由(技術的)

なお「会社の基盤がMicrosoft 365だから」という理由は、基盤ごと見直す前提なら決め手にはしません。仮に乗り換え自由でも、上記の“CLIツールとの相性”という一点でOneDriveを選ぶ、という整理です。Googleドライブは「共有・閲覧・納品の受け渡し」には引き続き使えますが、Claude Codeの標準の作業フォルダ同期先には向きません。

運営側の推奨

推奨するかたち

「巻き戻し」はgitだけの機能ではなく、OneDriveの版履歴でも日常用途は十分。一方gitは社員にコミットの習慣を強いるため、いざという時に「セーブが一度もない=戻せない」状態に陥りやすい。自動で貯まるOneDriveのほうが、書類仕事の現場には合うと考えます。


後半 ── 運用設計(実装の詰め・たたき台)

守るべきは3つの層

OneDriveは「バックアップ」ではなく「同期」です。だからこそ「同期失敗・誤削除・生成物の爆増・Claude設定の取りこぼし」を別建てで設計する必要があります。守る対象は3つの層に分かれ、とくに第2層は作業フォルダを同期するだけでは守られません。

第1層:業務データ(顧客の作業ファイル)

第2層:Claude Codeの設定(~/.claude)── 当初の盲点

作業フォルダの外、C:\Users\(ユーザー)\.claude に skills・memory・設定があります。作業フォルダを同期しても、ここは守られません。

重要:MCPの許可制
MCP(Gmail・Drive・M365・ファイルシステム等の連携)を無制限に繋ぐと、Claudeが読める範囲が一気に広がり、人が貼らなくても機微データを自分で取りに行けてしまう。「マイナンバー等を読ませない」方針は、MCPを許可制(必要なものだけ許可)にして初めて守られる。APIキー・認証情報は共有設定に直書きしない。

第3層:技術リスク(OneDrive同期のチェックリスト)

横断ルール(層をまたぐ統治)

非技術者の社員に配るときは、この4点だけ

  1. 作業は必ず OneDrive\Claude作業\顧客名\案件名 の中で行う
  2. 雲アイコンのまま触らない/終わったら緑チェックを確認して閉じる
  3. node_modules のような生成物フォルダは置かない
  4. マイナンバー等の機微データはClaudeに読ませない

決めていただきたいこと・未決論点

  1. この方向(一般社員は個人OneDrive、書き手のみgit併用)で進めてよいか。 懸念があれば。
  2. MCPをどこまで許すか。 全面禁止から始めるか、freee等の業務必須だけ許可制で開けるか。
  3. 退職時のデータ回収の具体手順。 誰が・いつ・どうやって個人OneDriveを回収・保全するか。
  4. skills配布の手段とタイミング。 当面は手動の配布スクリプト→Intune整備後に自動化へ移すか。
  5. memoryに顧客情報の断片が入る件の扱い。 何を書かない・どこまで残すか。
  6. 試行メンバー。 誰から小さく始めて検証するか。